- 会社を辞めたら人生は終わり。
- 新卒入社した会社を辞めたら、もう二度と出世コースには乗れない。
- 入社1年以内に仕事辞めたら「落伍者」扱いされてどこにも転職できなくなる…。
↑こんな不安をあおる話を聞いて、
「仕事は絶対に辞めてはいけない」と思い込んでいる方、ひょっとしたら多いのではないでしょうか。
特に、新卒入社で社会人になったばかりの人は、
「今の会社以外の所で働く」ということに具体的なイメージを持てないという方も多いでしょう。

しかし、どうしても今の仕事が合わないと感じているなら、
別の会社に転職したり、しばらく仕事から離れて人生について考え直してみるということも選択肢に入れてみる必要があります。
仕事はこれから先、何十年もずっとやっていくものです。
「合わないと感じている仕事を、これから何十年も続けていく…」なんて、地獄のような苦痛ですよね。
- この仕事は自分に合っている。
- 人に貢献できて嬉しい。
- 自分の仕事でまわりを幸せにできる。
- 得意な仕事なので、まわりよりも成果が出せる。
- 高い収入を得られる。
- 尊敬できる先輩やかわいい後輩に囲まれながら働ける職場。
↑どうせなら、こんな風に楽しく働けた方がいいに決まってますよね。
あなたが今20代で独身なら、未経験からやり直せる仕事なんて世の中に腐るほどあります。
この記事では、「会社辞めたら人生終わり」というデマがいかにうそっぱちなのか、その理由を紹介します。
今の仕事に限界を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
会社辞めたら人生終わり…という主張のウソを暴く
↓「会社辞めたら人生終わり」というデマを流している人がよくいう根拠としては、以下のようなことがあるでしょう。
転職についてのよくあるデマ
- 「新卒3年以内に辞めたら落伍者というレッテルを貼られて正社員での転職ができなくなる」
- 「転職組は出世コースから外れるから永遠に新卒組の使いパシリ」
- 「新卒で入った会社を辞めたら大手企業にはもう採用されなくなる」
- 「ウチみたいに人間関係が良好な会社でダメなら、どこいってもダメ」
- 「嫌なことから逃げる人間を評価する会社はない」
正直、実際に転職を何度も経験し、
その度に年収アップできている人間(私)からしたら、
「よくもまあこんなウソっぱちを若い人に平気で言えるな…」
と殺意を覚える感じなんですが、ここでは一個ずつ検証していきましょう。
(ウソ1)新卒3年以内に辞めたら落伍者というレッテルを貼られて正社員での転職ができなくなる
まず、「新卒で入った会社を辞めて転職する」という人が、世の中にどのぐらいいるのかを知っておきましょう。
参考になるデータとして、
厚生労働省が発表している新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況という統計があります。
これは要するに「新卒入社で入った会社を、3年以内に辞めた人が何人いるのか」のデータなのですが、
↓まとめると以下のようになります。
- 大卒新卒の合計人数:448,309人
- 三年内退職者の合計:143,360人
- (一年目の退職数):51,158人
- (二年目の退職数):47,471人
- (三年目の退職数):44,731人
平成28年度の大卒新卒入社は約44万人(448,309人)ですが、そのうち「3年目までに退職した人」は約14万人(143,360人)います。
割合にすると3人に1人は三年以内に離職しているのです。
(143,360人÷448,309人=31.97%→およそ3人に1人)
「3年は仕事続けないと人生終わり」なんてデマを流している人間を尻目に、
全体の3分の1はさっさと退職して次の職場に移っているわけですね。

新卒から3年以内の人なら第二新卒として転職できますので、
次の職場が決まらないということはまずありえないです。
統計データを見る限り、「新卒3年以内に辞めたら落伍者というレッテルを貼られて正社員での転職ができなくなる」は明確にウソです。
(ウソ2)転職組は出世コースから外れるから永遠に新卒組の使いパシリ
「会社は、新卒入社と転職組とでは、新卒入社を忠誠心が高いと見るから、転職組は一生出世コースには乗れない」
↑これもまあデマですね。
(いかにも社畜な根性丸出しなデマで聞いてて辛くなる…)
ひとむかしの大手企業(銀行などの金融機関)ではこういう世界もあったかもしれませんが、
今どき新卒入社と転職組とで、人事評価方法を画一的に分けている企業なんてほぼありません。
さらにいえば、転職組でも出世して大手企業の社長になる人もいます。
例えば、原田泳幸さんは日本マクドナルドの元社長、2020年現在はゴンチャジャパン(日本でタピオカ流行らせた会社)の社長ですが、
↓以下のように転職を繰り返して今の地位を築いた人です。
原田泳幸さんの経歴
- 東海大学工学部を卒業
- 日本NCR入社
- 日本HPに転職
- 外資系シュルンベルジェに転職
- アップルに転職
- 日本マクドナルドに転職
- ベネッセに転職
- ゴンチャジャパンに転職
こんなふうに、転職組でも大手企業の経営者まで出世する人はちゃんといます。
「転職したら出世できなくて一生新卒社員の使いパシリ」なんて話がデマであることがお分かりいただけるかと思います。
(ウソ3)新卒で入った会社を辞めたら大手企業にはもう採用されなくなる
大手企業は忠誠心の低い人間を評価しない。なので、新卒で入った会社を辞めた人間はもうどこにも採用されない。
↑これもよくいわれるデマですね。
現実に、第二新卒枠で採用を行なっている大手企業はたくさんありますから。
上でみた統計データで考えても、
新卒入社の3分の1は三年以内にやめていくのですから、会社は新卒入社組だけでは組織として成り立たないのが現実です。
そもそも、会社が中途社員を採用する目的について知っておきましょう。
これは、ある種の「多様性」が欲しいからなんです。

新卒入社の人間だけだと、どうしても似たような考え方の人間ばかりになってしまいますから、思いがけない危機が生じたときに対応できません。
大昔に体のでかい恐竜は絶滅してしまったのに、小さい哺乳類などは生き残りましたよね。
これは、いろんな環境で生きていけるように、
いろんなバリエーションの生き方をする種があったからです。
ダイバーシティ(多様性)というカタカナ英語が流行ってますが、その本当の意味は「会社が生き残るために、いろんな人材を確保しておく」ってことです。
会社は転職組を採用することで、いろんな考え方をする人を組織に取り込み、変化に対応できるようにしておきたいわけですね。
このように、転職組には「多様性」が求められますから、
↓下記のような「職種を変える転職」は歓迎される傾向があります。
- 営業経験者
→人事や経理などの管理部門系の仕事 - 営業経験者
→マーケティングや商品開発系の仕事 - 総務経経験者
→営業などの顧客とやりとりする仕事
つまり、既存のスタッフが持っていないような一風変わった職歴のある人は、高く評価される可能性があるのです。
「新卒の会社辞めたらもう大手には転職できない」なんて考え方が、いかに現実見えていないかがお分かりいただけたかと思います。
↓文系学部出身だけど、営業以外の仕事をしてみたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。
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文系は仕事ない(営業しかない)とかウソ。営業以外で働きたい人の転職活動
「文系には仕事がないって本当?営業以外の仕事に転職することは可能?」この記事では、新卒で入った会社で営業に配属されたけど、別の仕事に転職したいと考えている方向けに、転職活動のポイントや注意点を解説しています。結論から言うと「文系出身者は仕事がない」なんてデマです。ぜひ参考にしてみてください。
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(ウソ4)ウチみたいに人間関係が良好な会社でダメなら、どこいってもダメ
「うちは業界内でも働きやすさに定評のある会社。だから、うちでなじめないなら、どこにいっても人間関係うまくいかないよ」
↑これ、私自身もいわれたことのあるセリフなんですが、普通に考えておかしいですよね…。
例えば、学生時代にクラスの全員と仲良くなれました?
どんなにまわりから人気のやつでも、「俺はきらい」ということってあったと思います。
会社の人間関係や、社風についてもこれは同じです。
ある人にとっては「いごこちの良い最高の職場」であっても、
他の人間にとっては「いつもベタベタして気持ち悪い人間関係」ということはあります。
また、年齢的に若いうちにいろんな人に出会うことはとても大切です。
私も30代になった今思うんですが、若いときに比べて「初対面の人と出会う」ということをめんどうに感じるようになってます。
人間、年をとるとこんなもんです。
できるだけ若いうちに、いろんな人に出会ってコミュニケーション能力をみがいておくことは大事ですよ。
(ウソ5)嫌なことから逃げる人間を評価する会社はない
「会社で嫌なことがあるから転職するなんて甘えで逃げだ。そんな人間を評価してくれる会社なんてない」
↑こういう極端なことを言う人もいますが、
こういう人ほど、自分が世の中を知らない「井の中の蛙」だということに気付いていないケースがほとんどです。
うまくいかなかいことが起きたときに、早めに「損切り」をして方向転換することはビジネスの基本です。
損切りというのは株式投資などでも重要といわれることの多い考え方ですが、
簡単にいえば「自分の判断がまちがっていると気付いたら、さっさと方向転換して別のことをする」という意味です。
これは仕事選びにも共通していえることです。

会社はいろんな意思決定をしてお金や人をビジネスに注ぎ込みますが、
想定していたリターンが見込めないならさっさと撤退しないと会社がつぶれてしまいます。
私たち個人レベルの転職についてもこれと同じです。
「どういう仕事を選択するか」は自分の人生という資源を使ったビジネスです。
今の職場で想定していたリターンが得られそうにないのであれば、さっさと損切りをして次にいくのは大切なことです。
あなたが20代なら、未経験から挑戦できる正社員の仕事なんて、はいて捨てるほどたくさんあります。
仕事なんて実際に働く前にはよくわかりません。
いろんな仕事に挑戦できるのは20代の特権ですから、何回か転職してみて、自分に合う仕事や職場を見つけていけばいいんです。
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仕事よりもあなたの心の方が大切
今回のまとめですが、「会社を辞めたら人生おわり」なんてことはまずありません。
特に、「朝起きたら腹痛…」みたいに、体の不調が既に出ている人要注意です。これは危険サインですからね。
会社のために心と体をこわすなんて本当にバカバカしいです。
仕事なんて世の中にたくさんありますし、会社によって本当にいろんな働き方があります。
今の職場で評価されない、ダメ人間扱いされている…。
という人も、決して悲観的になる必要はないです。
どんなに優秀な人でも、働く環境があっていないことが原因で評価されないことはあり得ます。
極端な話、直属の上司に嫌われたらその時点できびしいですからね。

まわりの「ねたみ」に注意
また、あなたのまわりの人にとって、
「あなたの変化」は「自己否定をされた気分になること」であることも知っておいてください。
仕事を辞めたくても、まわりの目が気になっていつまでもウジウジしている人はたくさんいます。
そういう人にとって、あなたが転職という選択をすることは、
「いつまでも決断できない自分」を認識させられる事態なのです。
早い話が、ねたまれる可能性もあるということですね。
「俺がこんなに我慢しているのに、あいつはなんで我慢しないんだ!」という感じです。
ここまでくるともう社畜の一歩手前ですね…。
あなたはこんな気持ちの悪い人間にならないよう注意してください。