- 零細企業で「社長と合わない」は致命的?
- もし嫌われた場合の対策方法は?
- 零細企業と大手企業で働き方はどんなふうに違う?

社員10人ほどの零細企業で働いているのですが、
どうも社長と性格的に合わない感じです…。
これってやばいでしょうか?
零細企業では、良くも悪くも社長がほとんどのことを決めています。
昇格などの人事や、給与や福利厚生についての社長権限はまさに「絶対的」なので、
社長と性格的に合わないとなると、かなり厳しい働き方になるかもしれませんね。

結論から先にいうと、零細企業で「社長と合わない」というのは致命的といわざるを得ません。
社長があなたの親族であるとか、お給料がとても良いとかいった特別な条件があるなら別ですが、そうでないなら早めに転職を検討するのがいいと思いますよ。
零細企業はブラック企業になりやすい点にも注意してください。

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この記事の目次
零細企業で「社長と性格的に合わない」がかなりきつい理由
↓零細企業で働いている人にとって、「社長と合わない」が致命的である理由として、以下のようなことが挙げられます。
- 零細企業では、会社のほとんどのことを社長が自分で決めている
- 零細企業では、基本的に社長が交代することはない
- 零細企業では「社長から守ってくれる人」はいない
- 零細企業では、毎年新人採用を行うわけではない
それぞれの理由について、順番に見ていきましょう。
1.零細企業では、会社のほとんどのことを社長が自分で決めている
従業員数名〜10名程度の零細企業では、
社員の昇進や昇給などの人事から、お給料の金額や福利厚生まで、
ほとんどのことを社長が自分の判断で決めています。
零細企業の社長(オーナー社長)というのは、
「自分のポケットマネーをつかって会社を経営している人たち」です。
すべてのことを自分の独断と偏見で決めるのは、
いわば「当たり前」という意識の人が多いです。

すべてのことを社長自身が決めている零細企業で、
「社長と性格的に合わない…。」というのは致命的なことです。
同期入社でもえこひいきがあるのはむしろ普通ですし、
社長にもし嫌われたら、会社でのあなたの居場所なんてすぐになくなってしまいます。
この点、零細企業の社長と、大手企業の社長とでは働き方がぜんぜん違います。
大手企業の社長というのは、社長自身も会社に雇われているサラリーマンです。
社長の意見は絶対ではなく、取締役会などのかたちで、他の取締役と相談しながら決定しています。
また、従業員のお給料の決定などについては、労働組合との交渉をしながら決める必要があります。
このように大手企業で働く社員は社長の独断と偏見から何かと守られているのですが、
中小零細企業ではこういうことは基本的にありません。
2.零細企業では、基本的に社長が交代することはない
大手企業では1年ごとに経営者が変わるようなこともありますが、
零細企業では、よっぽどのことがない限り社長が交代することはありません。
零細企業では「社長が大株主」という場合がほとんどですから、
社長が老齢で引退したり、病気になったりでもしない限り、
社長の座を明け渡す理由なんてないのです。

一度社長に嫌われると、その会社にいる限り、ずっと嫌われたまま過ごすことになります。
また、零細企業は家族経営・親族承継であることがほとんどです。
「社長の奥さんが経理をやっていて、社長の息子が後継者」という組織形態になっていることも多いでしょう。
零細企業では、会社とはいわば「家族ぐるみのつきあい」になります。
この状況で社長に嫌われたら地獄です。

後継者についても、社長になれるように若い頃から前の社長に教育されていますから、
次も似た価値観の人が社長の座に座ることになるでしょう。
つまり、人事評価は前の社長から引き継がれる可能性が大です。
あなたがもし前の社長と合わなかったのならば、次の社長とも合わない可能性は高いということですね。
さらにいえば、「事業承継後も元の社長が会長職となって実権はそのまま握っている」なんてこともよくあります。
一度社長から嫌われてしまったら、あなたの評判が回復するのはよほどのことがない限りは難しいと言わざるを得ないでしょう。
3.零細企業では「社長から守ってくれる人」はいない
ある程度大きな規模の会社では、労働組合というものが必ずあります。
これは、社員側が団結して経営者と給料などの条件について交渉するための組織です。
労働組合がある会社の場合、
社長が社員の給料を一方的に変えようとした場合には、
ストライキなどによって対抗することが可能です。

しかし、零細企業では、労働組合をもっているところはほとんどありません。
もし社長のやり方に不満があるなら、自分一人で声をあげて戦わなくてはいけないのです。
零細企業では、社長は社員の給料や福利厚生について絶対的な権限を握っています。
まさに「社長の言うことは絶対。文句があるならやめろ」という世界です。
あなたの直属の上司(係長・課長など)が、あなたのことをとても可愛がってくれていたとしましょう。
しかし、どんなにあなたのことをかわいがってくれていたとしても、その人も社長から圧力をかけられたら抵抗なんてまずできません。
みんな自分の生活や家族があります。
しょせんは他人にすぎないあなたのことを、
命がけで守ってくれる上司なんてテレビドラマの中にしかいません。

零細企業に勤める身で、社長に目をつけられてしまったら、
あなたを守ってくれる人など会社の中にはいないということを理解しておく必要があります。
4.零細企業では毎年新人採用を行うわけではない
ある程度の組織規模の会社では、毎年何人もの新入社員が入社してきます。
新しい人材が入ってくれば、社長との関係も多少は薄まるかもしれません。
(あなたの後輩が、次の標的になってくれる可能性もあるでしょう)
しかし、零細企業では毎年定期的に新人が入ってくることは普通ありません。
そもそも、社員の数が少ないから零細企業なのです。
そんなに多くの社員を雇う余裕がないのは普通なことです。

零細企業では「今いる誰かが辞めない限り、新人は採用しない」という採用方針の会社がほとんどでしょう。
一度標的になったあなたから矛先がそれることはなかなかありません。
会社に残った場合、あなたは標的になり続けなければならないのです。
零細企業で働くことにはメリットもある
もちろん、中小零細規模の企業で働くことも、
「デメリットだらけでメリットが何もない」というわけではありません。
↓例えば、以下のようなことは「小さい会社」ならではのメリットと言えますね。
- 仕事の裁量が拾いので、自分で仕事をコントロールできやすい
- 人間関係が濃いので、うまくなじめれば楽園のような環境で働ける
- 部署の間の垣根が低いので、いろんな仕事を経験できる
- 出世が早い
- 社長に気に入られれば給料アップもしやすい
- 良くも悪くも精神的にタフにでたくましくなれる
- 会社全体を見ながら働けるので、経営的な視点が身に付く
- 自分がやらないといけないという場面が多く、やりがいにつながる
↑しかし、これらのメリットは、
「社長との関係が良好」で初めて成り立つことに注意が必要です。

仕事を幅広く任せてもらったり、役職をアップさせてもらったりするには社長の信頼を得ることが必要ですし、
収入をアップしてもらうのも社長の決済が必要です。
零細企業で働くことは、社長との関係しだいでメリットにもデメリットにもなるというのが正しい理解といえるでしょう。
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零細企業からの転職を決断する前に知っておくべきこと
零細企業からの転職を目指す場合には、
↓以下の「4つの注意点」をあらかじめ知っておくと良いです。
- 転職活動はできれば在職中に始めること
- ビジネスライクに働きたいなら中堅〜大手企業を狙うこと
- 円満退職のためのポイントを知っておくこと
- 転職エージェントは「自分の属性に合った会社」を選んで使うこと
それぞれの内容について、順番に解説していきます。
1.転職活動は在職中に始めること
今の会社を辞めるなら、退職前に転職先がすでに決まっている状態が理想的です。
特に、年収アップの転職を実現したい合には在職状態で転職活動するのは必須でしょう。
失業状態(無収入の状態)で転職活動していると、
どうしても採用企業側から足元をみられて、低い給与額を提示されてしまいがちです。

もっとも、今の仕事から退職した後、まったく別種類の仕事に未経験で挑戦する予定なら、いったん無職になるのもアリです。
あなたが今20代なら、未経験から働ける仕事はたくさんありますので、
いったんキャリアをリセットするのも選択肢として検討する価値があるでしょう。
ただし、30代になると未経験職種への転職はとてもきびしくなる点には注意しておいてください。
行動を起こすなら早ければ早いほど有利なのはまちがいありません。
2.ビジネスライクに働きたいなら中堅〜大手企業を狙うこと
人間関係が固定的な零細企業では、
つねに上司や社長の顔色を見ながら働く必要があります。
これははっきりいってしんどいですよね。
そういう閉鎖的な環境が嫌で転職するなら、中堅〜大手企業への転職を目指しましょう。
組織規模が大きな会社なら、零細企業よりもビジネスライクに働くことができます。
大手企業ほど、社会全体から「ブラック」といわれるのを恐れていますから、残業が少ないホワイトな環境で働ける可能性も高くなるのです。
新卒の就活で零細企業にいかざるを得なかった人も、
第二新卒に該当するなら大手企業を狙えます。
営業以外の事務職に転職したい場合にも、第二新卒枠を狙ってみると良いですね。
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3.円満退職のためのポイントを知っておくこと
仕事を辞める決断をするとしても、退職手続きで社長ともめてしまうのは大変なストレスになります。
こうした事態をさけるためには、「円満退職をするのためのポイント」をあらかじめ知った上で手続きを進めていくのが適切です。
↓会社を円満退職するために知っておくべきポイントについては、こちらの記事でまとめていますので参考にしてみてください。
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4.転職エージェントは「自分の属性に合った会社」を選んで使うこと
現在は、転職活動では転職エージェントを使う人がほとんどになっています。
転職エージェントにお金を払うのは採用企業側なので、
求職者側(あなた)は無料で使えます。

転職エージェントというのは、採用活動を行っている企業と、求職者(あなた)との間に入って、マッチングをしてくれる会社のことですね。
エージェントは求人応募前に会社の社風や残業の実態などについていろいろ情報を教えてくれますので、
入社してから「こんなはずじゃなかった…」となるリスクを大幅に下げることが可能になります。
↓この転職エージェントには、大きく分けて以下の2種類があることを知っておきましょう。
- 大手エージェント
業種業界を問わず、ありとあらゆる求人を持つ大手会社。
まだ志望業種が決まっていない人や、
とりあえずどういう求人があるのかみてみたいという人が使うのに適しています。
リクルートエージェントやマイナビエージェントが代表例。 - 中小エージェント(専門特化エージェント)
「経理や人事などの管理部門専門」「MR業界・金融業界専門」といったように、特定の業種業界に特化して求人を紹介してくれるエージェント会社です。
求人数は大手に劣るものの、ひとつひとつの求人の質が高いという特徴があります。
面接への同席など、きめ細やかなサービスをしてくれるのも中小エージェントの良いところですね。
MSジャパン(営業以外の仕事専門)や、マイナビジョブ20's(第二新卒専門)など、特徴を持ったエージェント会社があります。