- 青色事業専従者の意味とは?
- 国税庁の解説ページは難しすぎ…簡単にわかりやすく教えて!
- どういうメリットとデメリットがある?
- できればめんどくさいことはしたくないけど、わざわざ手続きする意味はある?
青色事業専従者とは、わかりやすくいえば「家族を従業員扱いにする」ということです。
なんでわざわざこんなことをするかというと「家族に渡した生活費などを経費で落とせるようになるから」です。
経費が増えれば税金は安くなりますから、個人事業主の方はぜひやってみるべき節税方法ですよ。
副業収入があるサラリーマンの方も使える方法なので、ぜひ活用しましょう。

この記事では、青色事業専従者の意味について簡単にわかりやすく解説します。
家族を従業員扱いにするメリットとデメリットについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
おすすめの転職サイト
- リクナビNEXT:業界最大手の求人掲載数!
- マイナビジョブ20's:20代の求人専門
- いい就職ドットコム:第二新卒・既卒の求人専門
この記事の目次
青色事業専従者の意味とは?簡単にわかりやすく解説!
青色事業専従者とは、簡単にいうと「家族を従業員扱いにすること」をいいます。
家族を従業員扱いにするとどういう良いことがあるのか?というと、
「家族に渡したお金を必要経費にできること」があります。
必要経費が増えれば、その分だけ税金が安くなるので、節税対策になるというわけです。
逆にいうと、青色事業専従者でない家族にお金を渡しても、
そのお金は必要経費にはできません。
生活費のためにお金を払っても経費として落とせないのと同じように、
青色事業専従者でない家族にお金を渡しても、
それは経費として落とすことはできないのです。

青色事業専従者の活用で税金が安くなる仕組み
青色事業専従者で税金が安くなる仕組みをもう少しくわしく解説すると、以下の通りです。
- 事業主が納める税金は所得税や住民税です。
- これらの税金は「1年間の所得」に税率をかけ算して計算します。
- 1年間の所得は「売上 − 必要経費」で計算されます。
- 家族を青色事業専従者にした場合、家族に渡したお金は必要経費にできます。
- 必要経費が増えれば所得が減りますので、当然ながら税金も安くなります。
↓これは計算式で見た方がわかりやすいかもしれません。以下のような感じですね。

- 税金 = 所得金額 × 税率
- 所得金額 = 売上高 − 必要経費
- 家族に渡すお金を必要経費にすれば、所得が減る
- 所得が減れば、税金が減る
日常的に家族に渡しているお金があるなら、青色事業専従者は絶対に使ったほうが良いですよ。
税理士に依頼すれば、青色事業専従者の手続きを代わりにやってもらうことも可能です。
家族を青色事業専従者とするための要件
↓家族を青色事業専従者にして、渡したお金を必要経費扱いにするためには、以下のような条件があります。
- 生計が同じ家族で、事業にかかわれる状態であること
- 家族本人に実際にお金が渡されていること
- 税務署に「届出書」をあらかじめ提出していること
- 届出書に記載した金額と方法で支払いを行なっていること
- 非常識に大きな金額でないこと
↓上記の条件について、念のため税務署(国税庁)のホームページでの説明を紹介しておくと以下の通りです。
※国税庁のホームページの文章は、税金にくわしくない人には宇宙語なので意味不明でもあまり気にしないでOKです。
- 青色事業専従者に支払われた給与であること。
- 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
- その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
- 青色事業専従者給与に関する届出書を納税地の所轄税務署長に提出していること。
- 届出書に記載されている方法により支払われ、しかもその記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
- 青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。
それぞれの項目の意味について、順番に解説していきます。
1.生計が同じ家族で、事業にかかわれる状態であること
1.については、家族は「事業主と同居している15歳以上の家族(奥さんでもOK)でなくてはなりません。
また、「1年のうち半分は事業主の仕事の手伝いをしている」という状態である必要があります。
奥さんがパートに出ているとか、家族が大学生であると以下行った場合には注意が必要です(青色事業専従者とできないことがあります)
専業主婦の奥さんやフリーターの家族なら問題なくOKという感じですね。
なお、渡すお金は「本人名義の銀行口座」に振り込みで渡すようにしましょう。

2.家族本人に実際にお金が渡されていること
青色事業専従者にした家族に、実際にお金が渡されていることが証明できなくてはなりません。
家族の名義の銀行口座に対して、振り込みの形でお金を渡すのがもっとも確実です。
現金手渡しで渡す場合にも給与明細などの書類を作成しておきましょう。
3.税務署に「届出書」をあらかじめ提出していること
「届出書」というのは、正式には「青色事業専従者給与に関する届出」といいます。
ややこしく感じるかもしれませんが、税務署の窓口に行くと職員の方が書き方を教えてくれますよ。
4.届出書に記載した金額と方法で支払いを行なっていること
これは、「あらかじめ決めた金額と方法で家族にお金を渡さないとダメで、非常識な金額はダメですよ」ということですね。
届出書には「毎月10万円」と書いてあるのに、毎月15万円を渡してはダメというわけです。
(この場合、必要経費にできるのは10万円までとなります)
また、届出書に「銀行振り込みで渡す」と記載したなら、その通りにしなくてはなりません。
5.非常識に大きな金額でないこと
青色事業専従者である家族に支払うお給料は、一般常識で考えて大きすぎる金額にしてはいけません。
例えば、仕事を手伝ってもらっている家族に「お給料毎月100万円渡す」というのは認められません(税務調査でNGとされてしまいます)
青色事業専従者と(白色)専従者控除の違い
個人事業主が確定申告する方法として、
「青色申告」と「白色申告」の2種類があることをご存知の方は多いでしょう。
ごく簡単にいうと、青色申告というのは、
「会計ソフトなどを使ってちゃんと経理をやっていれば、税金をちょっと安くしますよ」という仕組みのことです。

青色申告を選択している事業者が利用できるのが、この記事で説明している「青色事業専従者」です。
一方で、青色申告を選択していない事業者の方(白色申告を選択している方)は、「青色事業専従者」を選択することはできません。
白色申告を選択している事業者の方は、青色事業専従者の代わりに、「専従者控除」という仕組みを利用できます。
↓言葉が似ていてややこしいのですが、わかりやすくまとめると以下の通りです。
- 青色申告の人
→青色事業専従者を使える - 白色申告の人
→専従者控除しか使えない
どっちが得か?というと、これは「青色事業専従者」です。
青色事業専従者の方が必要経費として参入できる金額が大きいですから、必然的に税金は安くできます。
手続きがややこしい分、税金も安くしてもらえるというわけですね。
青色事業専従者を使う4つのデメリット
上で見たように、青色事業専従者を使うことは、「税金の負担額が小さくなる」というメリットがあります。
↓その一方で、以下のようなデメリットもあるので注意してください。
- 給与計算の事務が発生する
- 税務署で手続きが必要
- 家族自身の税金申告が必要になる
- 複式簿記のルールで経理をする必要がある
こちらも順番に見ていきましょう。
1.給与計算の事務が発生する
家族を青色事業専従者とする場合、その家族に対して支払うお給料からは、税金や社会保険料を計算して役所に納めなくてはいけません。
また、給与支払いは銀行振り込みの形で行う必要があります。
これらの「給与計算事務」が発生することは、青色事業専従者の仕組みを使うデメリットと言えるでしょう。
2.税務署で手続きが必要
青色事業専従者を使うためには、税務署に対して事前に届出を行う必要があります。
青色事業専従者を使うためには、前提として青色申告の承認を受けていなくてはなりません。
↓そのため、以下のような書類を税務署に提出しておきましょう。
- 開業届
- 青色申告承認
- 青色事業専従者給与に関する届出書
もちろん、毎年確定申告はしないといけません。
確定申告をしない年が2年連続であると、青色申告の承認申請が取り消されてしまう可能性があります。
この場合、当然ながら青色事業専従者給与も認められなくなってしまいます。注意しておきましょう。
3.家族自身の税金申告が必要になる
家族を青色事業専従者としてお金を渡す場合、その家族自身の税金申告手続きを行う必要があります。
家族が稼いでいるお金が青色事業専従者としてのお給料のみである場合には「年末調整」という手続きを行います。
一方で、パートに出ていたりして、青色事業専従者以外にもお金を稼いでいる場合には、そのお金と合算して確定申告を行う必要があります。
4.複式簿記のルールで経理をする必要がある
税務署に青色申告を認めてもらうためには、
「複式簿記」のルールに従って会計処理を行い、確定申告を行わなくてはいけません。
複式簿記というとなんだか難しく感じますが、
これは簡単に言えば「会計ソフトを使って経理をする」ということです。

個人事業主の方が初めて会計ソフトを導入するなら、会計freee(フリー)がおすすめです。
無料から使うことができますから、活用しましょう。
↓※会計freeeのレビューについてはこちら。
-
-
会計ソフトfreee(フリー)は最悪?3年使ってる私の口コミ評判レビュー
「会計ソフトのfreee(フリー)は最悪って本当?ステマじゃない実際に利用している人の口コミ評判を知りたい!」この記事では、元税理士事務所勤務で今は自分で個人事業をしている私が、実際に3年間会計free(フリー)を使って確定申告までやってみた口コミ評判レビューを書いています。最悪と感じる部分・良いと感じる部分の両方を公平に紹介していきますので、会計ソフト選びの参考にしてみてください。
続きを見る
↓※会計ソフトの選び方についてはこちら。
個人事業主は税理士と顧問契約を結ぶべき?
今回は、青色事業専従者の仕組みを使うメリットやデメリットについて解説しました。
青色事業専従者は節税対策として非常にポピュラーなものですが、
「手続きがかなりめんどくさいな…」と感じた方も多いかもしれません。
この手の税金関係の手続きは、使うとかなりお得なものが多いのですが、
役所がからむために導入するための手続きが非常に複雑です。

自力でやるのもけっして不可能ではありませんが、多くの場合は税理士に依頼して手続きをすることになるでしょう。
税理士と顧問契約を結ぶと、めんどうな確定申告や税務届け出関連の仕事を代わりにやってもらうことができます。
税理士を使うメリットは確定申告だけではない
↓また、税理士は以下のようなことも経営者の代わりにやってくれます。
- 融資を受けたいときに銀行に出す書類の準備
- 従業員を雇った時の社会保険の手続き
- 従業員の年末調整の手続き
- 節税対策(いつ法人化すべきか?などの判断)
- 法人化後の法人税や消費税の申告手続き
税理士は経営者の右腕のようなかたちでいろんなアドバイスをしてくれますよ。
(希望すれば月に1回などのかたちで訪問もしてくれます)
経験豊富な税理士に出会えたことが、事業が一段階成長するきっかけになったという経営者はとても多いです。
特に、自営業者にとって「銀行融資が通るかどうか?」は、ときに死活問題になります。
銀行は決算書をもとに融資するかどうか決めてきますので、
その決算書に税理士の印鑑があるかどうかで融資の可否が決まってしまうこともあるのです。

起業してから1〜2年ぐらいは税理士なしでやっていくのもありです。
ですが、3年目以降は税理士と顧問契約を結んでおくのが良いですね。
(このあたりから税務調査のチェックが入り始めます)
事業がもうかってきたら法人化を検討する経営者が多いですが、そのタイミングで顧問税理士を探す人も多いです。
税理士の知り合いなんていないんだけど…という方へ
↓経営者が税理士を探す方法としては、以下のようなものがあります。
- 家の近所で看板を出している税理士に依頼する
- 友人の経営者などから紹介してもらう
- 商工会議所などで紹介してもらう
ただ、このような税理士の探し方だと、
- 自社の業種にあった税理士じゃなかった
- 不満があっても友人から紹介された税理士なので顧問契約を切りにくい
- 料金が適切なのかよくわからない(ぼったくられていても相場が不明なので気づけない)
↑こういった状態になりがちです。
税理士はいったん契約すると、後から別の税理士に変更するのがとても面倒です(経理のやり方などについて引き継ぎをしないといけません)
そうなるとやっぱり「自力で探す」ということになるのですが、
料金が相場から見て適正で、自社の業態にあった税理士を探すなら、
税理士検索のサイトを使うのもおすすめですよ(無料で使えます)
「料金で比較して選ぶ、経理をどこまでお願いするか選ぶ、得意な業種で選ぶ…」などなど、
↓条件を指定して税理士を探すことができるのでとても便利です。
外注の業者を選ぶときには「相見積もり」をとって依頼するのが一般的ですが、税理士についても同様ですね。
↓見積もりはWEB経由で無料で取れるので、活用してみてください。
\ 自社に最適な税理士を探せる!/